日本の夏の風物詩「打ち水」。本当に効果はあるんでしょうか?
「打ち水」は、暑さを和らげるためにある昔ながらの伝統的な方法です。
- 日本の夏の風物詩「打ち水」。本当に効果はあるんでしょうか?
- 【「打ち水(うちみず」とは】
- 【「打ち水」のメカニズム】
- 「打ち水」実際には何度下がる?
- 【打ち水大作戦 2024】8月1日は「打ち水」の日!
- まとめ
【「打ち水(うちみず」とは】
打ち水(うちみず)は、道や庭先などに水をまくこと。また、その水のこと。打水とも。
古くから日本の夏に行われてきた風習で、地面に水をまくことで、気化熱を利用して周囲の温度を下げ、涼しさをもたらします。
「打ち水」の歴史
起源:茶の湯
打ち水の起源は、安土桃山時代にまで遡ります。戦国時代から安土桃山時代にかけて成立した「茶の湯」において、客人をもてなすために玄関先や茶室周辺に水を撒いて清める礼儀作法として打ち水が生まれました。
江戸時代:庶民の生活に浸透
江戸時代になると、打ち水が俳句に詠まれたり浮世絵に描かれたりしており、少なくともこの時代には一般的なものになっていたと考えられます。 庶民の間でも、暑さ対策として打ち水が広く行われるようになりました。
江戸時代「打ち水」が詠まれた俳句
「内藤 丈草」 『打ち水に残る涼みや梅の中』
「小林 一茶 」 『打ち水や挑灯しらむ朝参り』
「宝井 其角」 『水うてや蝉も雀もぬるる程』
江戸時代の知恵として、打ち水は暑さを和らげるだけでなく、おもてなしの心を表す文化としても広く定着していました。
近代・現代:環境対策としての注目
近代以降、エアコンや扇風機などの普及により、打ち水を行う人は減少しました。しかし、近年では、ヒートアイランド現象対策や節電対策として、打ち水が再び注目されています。
【「打ち水」のメカニズム】
打ち水で涼しくなるメカニズム
打ち水が涼しく感じる理由は、主に以下の2つのメカニズムによるものです。
1. 気化熱による温度低下
水は、ある条件下で気体になることができます。このとき、周りの熱を奪ってしまうのです。まるで魔法みたいですね!これが気化熱と呼ばれる現象です。
例えば、水1gが気体になるために必要な熱量は、約2,260 kJです。これは、アイスクリーム1gを0℃から融解させるのに必要な熱量とほぼ同じです。
打ち水をすると、地面に水が浸透し、徐々に蒸発していきます。このとき、水は気化熱を奪うことで、周囲の温度を下げます。
具体的には、以下のステップで温度が下がります。
- 打ち水によって、地面が濡れます。
- 太陽の熱によって、地面の水分が蒸発します。
- 水が蒸発する際に、周囲から熱を奪います。
- 周囲の温度が下がります。
2. 照り返しの抑制
アスファルトやコンクリートなどの路面は、太陽の光を反射して熱くなります。この照り返しは、体感温度を上昇させる大きな要因の一つです。
打ち水によって路面が濡れると、日光を反射しにくくなり、照り返しが抑制されます。その結果、体感温度が低くなります。
打ち水の効果を高めるポイント
打ち水の効果を高めるためには、以下の点に注意しましょう。
- 時間帯: 朝夕など、気温が比較的低い時間帯に行うのが効果的です。
- 場所: 日陰になっている場所や、風通しの良い場所に行うのが効果的です。日当たりの良い場所では、水がすぐに蒸発してしまい、効果が持続しません。また、風通しの悪い場所では、湿度が上がりすぎて不快になる可能性があります。
- 水量: 地面が軽く湿る程度の水量にしましょう。
- 水の質: 雨水や再利用水などを利用しましょう。
「打ち水」実際には何度下がる?
「打ち水」の効果は「気化熱」にあります。具体的には、地面に水を撒くと、水が蒸発する際に地面の熱を奪い、温度が下がって涼しく感じるのです。日中の打ち水でも、気温が下がらなくても体感温度は約1.5℃下がるとされています。また、実験によれば、打ち水によって地表面の温度が20度近く下がることもあるそうです。
【打ち水大作戦 2024】8月1日は「打ち水」の日!
打ち水大作戦2024:涼しさも環境対策も!
打ち水大作戦は、昔ながらの知恵である「打ち水」を、みんなで協力して行うことで、街全体を涼しくし、地球温暖化対策にも貢献しようという取り組みです。
2024年も、全国各地で様々なイベントや取り組みが企画されています。
打ち水大作戦に参加することで、以下のようなメリットがあります。
- 涼しく過ごせる: 打ち水によって、路面温度が下がり、体感温度も涼しくなります。
- 節電に繋がる: エアコンの使用量を減らすことができ、節電にも貢献できます。
- 環境に優しい: 地球温暖化の原因となるCO2排出量を削減することができます。
- 地域の活性化: 地域住民が協力して行うことで、地域の活性化にも繋がります。
- 楽しみながら参加できる: 家族や友人と一緒に行うことで、楽しく涼むことができます。
打ち水大作戦に参加するには
- 地域のイベントに参加する: 多くの自治体や団体が、打ち水大作戦のイベントを開催しています。インターネットや地域情報誌などで情報を収集しましょう。
- 自宅で打ち水をする: 自宅の庭や玄関先などを打ち水するだけでも、効果があります。
- SNSで情報を発信する: 打ち水をした様子をSNSで発信することで、周りの人を巻き込むことができます。
打ち水をする際の注意点
- 時間帯: 朝夕など、気温が比較的低い時間帯に行うのが効果的です。
- 場所: 日当たりの良い場所や、人がよく歩く場所に行うのが効果的です。
- 水量: 地面が軽く湿る程度の水量にしましょう。
- 水の質: 雨水や再利用水などを利用しましょう。
- 安全: 周囲に人がいないこと、車の通行に支障がないことを確認してから行いましょう。
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まとめ
打ち水は、涼しさだけでなく、節電や多少なりとも地球温暖化対策など、様々なメリットをもたらします。日本の伝統的な知恵を利用し今年の夏は、ぜひ打ち水を取り入れて、涼しく、そして地球環境にも優しい夏を過ごしましょう!