第172回芥川賞を受賞した『ゲーテはすべてを言った』とは？
鈴木結生さんの作品で、書店発売日（2025年1月15日）後、早くも3刷が決定し、6万部を突破しています。
- 第172回芥川賞を受賞した『ゲーテはすべてを言った』とは？
- 『ゲーテはすべてを言った』
- ゲーテ（ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ）
- 『ゲーテはすべてを言った』試し読み
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- まとめ
『ゲーテはすべてを言った』
『ゲーテはすべてを言った』は、鈴木結生さんによる第172回芥川賞受賞作品です。この小説は、高名なゲーテ学者である博把統一が、出典不明のゲーテの名言を探す学術的冒険を描いています。
物語の概要
物語は、高名なゲーテ学者・博把統一（ひろば・とういち）が、家族とのディナー中にティーバッグのタグに書かれた自身の知らないゲーテの名言に出会うことから始まります。
この言葉の出典を求めて、統一は膨大な原典を読み漁り、研究生活の記憶を辿ります。創作や学問の本質に関する深遠な問いを投げかけながら、読者を思いがけない明るみへと誘うアカデミック冒険譚となっています。
作品の特徴
学術的要素と物語性の融合：ゲーテや学者、出典といった学術的要素を含みつつ、エンターテインメント性の高い物語構造を持っています。
起承転結の構成：物語は伝統的な起承転結の構造を忠実に守りながら、最後に読者を驚かせる展開を用意しています。
テーマの深さ：創作の本質、学問の意義、そして人生における読書の役割などの深いテーマを探求しています。
作者について
2024年、学部4年生の時に執筆した「人にはどれほどの本がいるか」で第10回林芙美子文学賞の佳作を受賞し、文壇にデビューしました。
続く作品「ゲーテはすべてを言った」は、ゲーテ研究者が未知のゲーテの言葉の出典を探し求める物語で、専門性の高いテーマと繊細な筆致が評価され、第172回芥川龍之介賞を受賞しました。
鈴木さんは、21世紀生まれとして初めて芥川賞を受賞した作家となり、その若さと才能で注目を集めています。贈呈式では、「想像だにしなかった読者と、本を通じて出会えた」と喜びを語り、今後の活躍が期待されています。
【第172回芥川賞受賞】「ゲーテはすべてを言った」鈴木結生さんが会見
日テレNEWS @ntv_news
ゲーテ（ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ）
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ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、18世紀後半から19世紀前半にかけて活躍したドイツの文豪です。1749年8月28日にフランクフルト・アム・マインで生まれ、1832年3月22日に84歳で亡くなりました。
ゲーテは多才な人物で、詩人、劇作家、小説家としてだけでなく、自然科学者、政治家、法律家としても活躍しました。彼の文学作品は現在も高く評価され続けており、ドイツ文学における古典主義時代を築いた重要な人物の一人です。
代表作
『ファウスト』（Faust）
ゲーテの最高傑作とされる戯曲で、人生の意味や人間の欲望をテーマにした哲学的な作品。 第1部（1808年）と第2部（1832年）に分かれており、悪魔メフィストフェレスとファウスト博士の契約を中心に物語が展開する。
2. 『若きウェルテルの悩み』（Die Leiden des jungen Werthers）
1774年に発表された書簡体小説で、恋に破れた青年ウェルテルの苦悩と絶望を描く。 ヨーロッパ中に「ウェルテル熱」を巻き起こし、ロマン主義文学の先駆けとなった。
3. 『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』（Wilhelm Meisters Lehrjahre）
1795年に発表された教養小説（ビルドゥングスロマン）の代表作。 青年ヴィルヘルム・マイスターが人生を通じて自己成長していく過程を描く。
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まとめ
『ゲーテはすべてを言った』は、23歳の新進気鋭の作家、鈴木結生さんによる第172回芥川賞受賞作品です。この小説は、高名なゲーテ学者の博把統一が、ティーバッグのタグに書かれた未知のゲーテの言葉を探す学術的冒険を描いています。
鈴木結生さんは、2001年生まれの福島県郡山市出身の作家で、西南学院大学在学中にデビュー作『人にはどれほどの本がいるか』で林芙美子文学賞佳作を受賞しました。『ゲーテはすべてを言った』は、彼女の受賞後第1作であり、2025年1月15日に発売されました。
本作は、学術的要素と物語性を巧みに融合させ、創作の本質や学問の意義について深い洞察を提供しています。鈴木の若い才能が生み出したこのアカデミック冒険譚は、純文学に馴染みのない読者にも支持され、発売後わずか6日で3刷、6万部を突破する人気を博しています。
21世紀生まれで初の芥川賞作家となった鈴木結生さんの『ゲーテはすべてを言った』は、現代文学界に新しい風を吹き込む注目作品と言えるでしょう。読者を思いがけない展開へと導くこの小説は、文学愛好家だけでなく、幅広い層に訴える力を持っています。
